轻松读懂日语经典作品
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
「報知新聞夕刊」1930(昭和5)9月30日~1931(昭和6)3月12日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 190,554 字 · 381 页
「本当の賊は、もっと力が強かったのです。手助けはなかったのです」
と解説がついた。
それがすむと、怪人物は、一寸法師の死骸を抱えて、部屋を出る。またしても三人連れの尾行が始まった。
恒川氏は左程でもなかったが、三谷青年は、素人の悲しさに、このお芝居を面白がるどころか、すっかりおびえていた。
「三谷君、気分でもお悪いのですか」
明智が、ふとそれに気づいて、懐中電燈を、三谷の顔にさしつけた。
「イヤ、何でもないのです。あまり不思議なことばかりなので、ちょっと……」
三谷は、そういって、笑って見せたが、顔色は紙の様に真白だ。額にはこまかい油汗さえ浮かんでいる。
「しっかりなさい。もう少しで、何もかも分るのです」
明智は元気づけて、青年の手を握り、それを引っぱる様にして歩いて行った。
怪物の行先は、やっぱり例の物置であった。
彼はさい前の一寸法師と同じ順序で、古井戸の蓋を取除き、抱えて来た死骸を、その中へ投げ入れた。イヤ、投げ入れる真似をした。
井戸の底
一寸法師の怪物は、彼がさっき小川正一(の藁人形)にした通りの手続きで、今度は自分が古井戸へ投げ込まれたのだ。