轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
「報知新聞夕刊」1930(昭和5)9月30日~1931(昭和6)3月12日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 190,554 字 · 381 页
だから、やっぱり夢だったかも知れない。こんなこと誰にもいっちゃいけないよと、私だけにお打あけなさいました」
「お前は、そのいいつけを守って、誰にも話さなかったのだね」
警部は少し非難の調子を含めていう。
「エエ、まさかこんなことになろうとは、夢にも思わぬものですから……わたし、奥様の気のせいで、そんなものをごらんなすったのだろうと思いましてね」
お波も倭文子のだらしない生活を見兼ねていたのだ。
「ところが、あなた。それもつい今朝になって分ったのでございますが、奥様のごらんなすったのは、満更夢ではなかったのです」
「ほう、すると、やっぱり谷山が、生きてここへ忍び込んだ証拠でもあるというのかね」
「女中の花が、ソッと私にいいますには、この間中から、夜の内に、台所の戸棚に入れておいたハムだとか、卵とか、色々なものがなくなっているというのでございますよ。若しや、誰かが、縁の下にでも忍び込んでいたのではありますまいか」と、お波は声をひそめる。
「それはいつ頃からだね」
「やっぱり四五日前、丁度奥様がおばけをごらんなすった時分からだと申しますの」
同じ犯罪現場には、所管警察の司法主任が、最前から窓やドアや調度などを熱心に調べ廻っていたが、彼はそれをしながらお波の話しを小耳に入れたらしく、その時、二人の側へやって来て口をはさんだ。