轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぜんこんどんこん

善根鈍根

佐々木 邦

「オール読物」文藝春秋社、1935(昭和10)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,638 字 · 28 页

青空文庫

四

しかし同時に養生法を詳しく話して貰った。元来何ともないところへ、それを堅く守ったから、期せずして健康を増進した。神経衰弱の暗示は今まで身体を大切にしたことのない藤浪君に取っては怪我の功名だった。以来規則正しい習慣がついて、頭もグッと好くなった。問題を冷静に考えて諦めをつけると共に、勉強に身を入れた。可なりの成績で卒業したから、就職の方も滞りなく運んだのである。

四

さて、新聞人になってから第一に受けた暗示は前に述べた通り煙草の件だった。藤浪君は積極的行動の資格を得て、大いに活躍し始めた。しかし未だ入社後間がないから、認められるところまで行かない。一緒に入った十数名も似たり寄ったりだった。その中、同じ帝大出の小西という男と別懇になった。部が同じだから、話し込む機会が多い。

「君、射落しってことを知っているかい?」

と小西君が思い出したように訊いた。社の帰りを銀座のカフェーへ流れた時だった。

「射落し? 知らない」

「社では射落しが年来流行っているんだそうだ」

「何ういう意味だい?」

「男の記者が婦人記者を射落して結婚するのさ」

「成程」

「主筆のところも射落しだそうだ。