轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
「自警」1947(昭和22)年1月~1948(昭和23)年1月(5、6、11月は欠)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,419 字 · 152 页
どぶ鼠
それは開いた缶詰だった。半ポンド缶であったが、レッテルも貼ってない裸の缶であった。何が中に入っていたのか、中は綺麗になっていたから窺う由もない。
その外に小型のナイフとフォークにコップの類。開かれたるシガレット・ケースとその中の煙草。それから別にきざみ煙草の入った巾着とパイプ。灰皿に燐寸。燭台が一つ。但し蝋燭はない。あとは四本の洋酒の壜に、炭酸水の入ったサイフォン一壜。――これが卓子の上のすべての品物だった。
灰皿の中には、吸殻の外に、紙片を焼捨てたらしい黒い灰があって、吸殻を蔽っていた。
検事の目は、これらの物の上をいくたびもぐるぐる廻っていたが、そのうちに大きく視線を廻して戸口の方を見た。
裁判医の古堀博士が入って来たのである。
どぶ鼠
「わしを呼ぶんなら、もっと早く連絡してもらいたいもんだね。今日は野球が見に行けるものとその気になって喜んでいるところへ――玄関まで出たところへ君たちの勝手な電話さ。一体殺人事件は夜中に起るもんだから、その翌朝の一番電話で、わしのところへ連絡してもらいたいね。そうしないと、さっぱりその日の予定がたたないやね。予定がたたないばかりか、今日みたいに甚だ不機嫌にならざるを得ないじゃないか。