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じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

「自警」1947(昭和22)年1月~1948(昭和23)年1月(5、6、11月は欠)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,419 字 · 152 页

青空文庫

小休憩

佐々君、君ちょっと行ってみてくれんか」

部長刑事の佐々は、令状を貰って、すぐ出発した。お末の住居は、新宿の旭町のアパートであった。

小休憩

調べ室は、そこで暫くの休憩をとることとなり、お茶がいいつけられた。一同は隅っこに椅子を円陣において、煙草をふかしたり、ポケットから南京豆をつまみ出してぽりぽりやる者もあった。お茶が配られると、一同は生色を取戻した。なにしろ厄介な事件である。一体どこへ流れて行くのか分らない。帆村もお茶をすすりながら、メモのページを指先でくりひろげて見ている。大寺警部が長谷戸検事に話しかける。

「長谷戸さん。一体どこで犯行を確認するんですかね。つまり、ここの主人は病死か、他殺か。他殺ならば、どうして殺されたか。それをどこで証明したらいいのですかね」

三津子を犯人と見て、自信満々だった大寺警部も、このところすっかり自信を失ったらしい。とはいえ、帆村が今やっている脱線的捜査方針には同意の仕様がないと思っているらしい。

「もうすこし捜査を進めてみないと何にもいえないと思うよ。しかし今やっていることは決して無駄じゃないと思っている。なにしろ今まで手懸りと見えたものが、みんな崩壊しちまったんだ。