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がくもんのすすめ
学問のすすめ
福沢 諭吉
「学問のすすめ」1872(明治5)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 87,080 字 · 170 页
かの耳の学問にて官員となる者はこの三百円の元入れをも費やさざれば、その得るところの月給は正味手取りの利益なり。
世間諸商売のうちにかかる割合の大利を得るものあるべきや、高利貸といえどもこれに三舎を譲るべし。もとより物価は世の需要の多寡により高低あるものにて、方今、政府をはじめ諸方にて洋学者流を求むること急なるがため、この相場の景気をも生じたるものなれば、あえてその人を奸なりとて咎むるにあらず、またこれを買う者を愚なりとて謗るにあらず、ただわが輩の存意には、この人をしてなお三、五年の艱苦を忍び真に実学を勉強して後に事につかしめなば、大いに成すこともあらんと思うのみ。かくありてこそ日本全国に分布せる智徳に力を増して、はじめて西洋諸国の文明と鋒を争うの場合に至るべきなり。
今の学者何を目的として学問に従事するや。不覊独立の大義を求むると言い、自主自由の権義を恢復すると言うにあらずや。すでに自由独立と言うときは、その字義の中におのずからまた義務の考えなかるべからず。独立とは一軒の家に住居して他人へ衣食を仰がずとの義のみにあらず。こはただ内の義務なり。なお一歩を進めて外の義務を論ずれば、日本国に居て日本人たる名を恥ずかしめず、国中の人とともに力を尽くし、この日本国をして自由独立の地位を得せしめ、はじめて内外の義務