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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页
私はハドソン河畔を散歩するたびに、死骸の浮いていたのはこの辺だったろうかなどといつもこのポーの小説を思い起こした。さらに英国に渡ってからは、例のシャーロック・ホームズの住んでいたというベーカー街などを散歩して、いい知れぬなつかしい想像にふけったものである。
一度などは小説中のホームズの住居なる二百十二番地B〔(正しくは二二一B)〕は果たしてあるだろうかと考えて、調べたらもちろん無かった。しかし作者のコナン・ドイルは、あるいは一時この辺に住んだのかもしれないと思ったりした。人間の楽しさは空想に生き得るところにあるとさえ私は考えている。
探偵小説を読んだおかげでどこへ行っても面白い。それこそスチーブンソンではないが、辻馬車を見ても一種のロマンスを見出だすようなこともある。倫敦塔や、セント・ポールス寺院を訪うたびにエーンズウォースの小説を思い出さずにはいられなかった。
巴里へ移り住んでからはガボリオの探偵小説に出ている所を散歩して、その時代の巴里の有様を思い浮かべ、名探偵ルコックが活動した様子などをいろいろ胸に描いてみた。もとより、実在の人物ではないが、実在した人や架空の人を取りまぜて想像するところにこの上もない楽しさがある。