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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
10 エタとは何ぞや
今日ならば確かに同情の涙をもって迎えらるべきはずの人々が、いかに昔の時代であったからとて、そうはなはだしく差別されるに至ったとは、今の人々にはちょっと諒解に苦しむほどの奇態な現象ではありますが、これは確かにその時代の、濃厚な階級意識の犠牲となったものでありました。
その原因はいかにもあれ、ともかく不幸にして一旦社会の落伍者となり、他人の世話になって生活することになりますと、その世話する者は、世話せられる者にとっては生命の親たる恩人でありますから、これに対しては自分の一切を投げ出して、絶対的に服従せねばならなかったのです。すなわちその恩人に対しては、自身賤者の位置に立ち、いかなる屈辱をも忍ばねばならぬことになるのです。これは階級意識の盛んな時代において、実際やむをえぬことでありました。
10 エタとは何ぞや
徳川時代も中頃以後には、当時の賤民と言われた人々を大別して、「エタ」と「非人」とに分けておりました。もっともこれは江戸の弾左衛門の法を標準とした幕府の扱い方でありまして、地方によっては、必ずしもそうとのみは参りませんでしたが、ともかくエタと非人との間には、筋目において区別があるものの如く考えられておりました。