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あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

「日の出」新潮社、1937(昭和12)年10月~1938(昭和13)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 151,280 字 · 301 页

青空文庫

お化け大会

そして、僕はあいつを捉える迄は、この戦いをやめません。命をかけても、必ずあいつをやッつけます。やッつけないでおくものですか」

宗像博士は、満面に朱を注いで、川手氏にというよりは、寧ろ我れと我が心に誓うもののように、烈しい決意を示すのであった。

お化け大会

宗像博士が、塵芥車のトリックを発見したのが八時三十分頃、警視庁の中村捜査係長が、おくればせに駈けつけたのが、それから又十分ほども後であった。

中村警部は、宗像博士から委細を聞き取ると、捜査手配のために、すぐさま警視庁に引返したが、あらためて全市の警察署、派出署、交番などに、犯人逮捕の指令が飛んだことは云うまでもない。

今度は犯人と共犯者の風体もよく分っているのだし、その上、塵芥車という大きなお荷物があるのだから、発見は容易である。だが、彼等が逃出してから既に一時間、何しろ魔術師のような素早い奴のことだから、まさか今頃まで、元の掃除人夫の姿で塵芥車を引っぱって、ノロノロ町を歩いている筈はない。恐らくは、邪魔な塵芥車はどこかへ捨てて、風体を変え、妙子さんを攫って、姿をくらましてしまったに違いない。とすると、折角の非常指令もあとの祭である。