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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく
文化史上より見たる日本の数学
三上 義夫
三上義夫『文化史上より見たる日本の数学』。同一底本的分册已合并为一书。收入:文化史上より見たる日本の数学、芸術と数学及び科学、和算の社会的・芸術的特性について、数学史の研究に就きて。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 页
〈二 算額の現状〉
もとより、ことごとくこれを網羅することはできない。
〈二 算額の現状〉
諸国の神社仏閣に絵馬が多く奉納されていることは、人の皆知るところである。その絵馬には数学の題術を記し、円や三角など色彩を施して美装し、他の絵馬と同じような形式に仕立てて拝殿などに奉納したものも幾らもあった。明治初年の頃にはその数もずいぶん多かったというが、今では次第に廃滅して新しく奉納する者もなく、その数はなはだしく減少した。しかも今でもなお諸所で見られるものがある。ここにその例を述べてみよう。
東京付近では府中の六所明神、大宮の氷川神社などがその例であり、少し離れては千葉の千葉寺、成田の不動、芝山の閻魔、それから上総の鹿野山、上州前橋の八幡宮、上信国境の碓氷峠における熊野神社等を数えることができる。上州の妙義神社にもまたこれを見る。一の宮にも数面が現存する。これらは私の実見したものである。塩釜の御宮にも大きな額がある。
京阪地方になると、京都の北野天満宮、安井神社、伏見の御香宮などに残ったものがあり、京都の祇園すなわち八坂神社には現存最古の算額がある、すなわち元禄年中のものである。