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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく
文化史上より見たる日本の数学
三上 義夫
三上義夫『文化史上より見たる日本の数学』。同一底本的分册已合并为一书。收入:文化史上より見たる日本の数学、芸術と数学及び科学、和算の社会的・芸術的特性について、数学史の研究に就きて。
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十七 帰納的推論
十七 帰納的推論
和算家の使用した推理の仕方には帰納的のものがはなはだ多い。前にも述べた廉術または逐索術と称せらるるもののごときはそれである。角術においては五角形、六角形、七角形と次第に各場合の方程式を作り、その諸方程式を表に現わして、それから次々の方程式の成立する法則を推すことになっている。行列式でいえば、三行の場合から四行の場合、五行の場合と次第に進む。円内に多数の円を環容した問題にしても円数が四つのとき、五つの時などについてこれを解き、その次々の関係を定め、それから次へ次へと推して一般の通術を求めるという風であった。
建部賢弘の『不休綴術』は種々の算法について数が三である場合には云々、四である場合には云々、五である場合には云々、従ってそれから推して一般に云々の仕方を取るべきものであるというように考えて、帰納的に算法の説明を試みたもので、いわば建部が理想とせる数学的推理の方法を教えた教科書であり、方法論の著述であるとも見られる。この書をもって有限もしくは無限級数によりて説いたものだと説く人もあるが、論理上そうも見られぬことはないが、そう見ただけでこの著作の真意を解し得たものとはいわれない。