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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく

文化史上より見たる日本の数学

三上 義夫

三上義夫『文化史上より見たる日本の数学』。同一底本的分册已合并为一书。收入:文化史上より見たる日本の数学、芸術と数学及び科学、和算の社会的・芸術的特性について、数学史の研究に就きて。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 页

青空文庫

紋付が礼服になったというのも、日本独特のことであろう。継子立などの遊戯が平安朝末期から行われたというのも、数学的の事項が遊戯に用いられたのであり、ここにも数学の芸術化が見られるのである。

数学的の事項が数学の未だ発達せざる前に芸術化された国柄において、数学の発達すべき時期に到来して芸術的の数学が行われ、そうして多大の進歩を見たというのは決して不思議ではあるまい。

われらは田舎を旅行して、山麓や森の間に草葺の農家が散在するのを見るとき、その閑寂優雅なのに見とれるのである。近頃流行の文化住宅などいうものの無格好な、無趣味なものの比ではないのである。

老木の森に囲まれた苔むすお宮に参詣して見ても、はなはだ森厳な霊気に打たれる。たとい一坪か半坪の小社といえども、前を通れば自然に頭も下げたくなる。その社殿の構造、樹木の配置等に何となく霊妙なものがあるかに感ぜられる。

私は日本の建築美は決して他国のものに劣っていないと思う。石造の大宮殿や、派手やかな摩天楼などいうものはもちろん日本にはない。仏教の寺院といえども、かの国とは違い、すべて木造であり、雄大の点においては欠けるであろう。