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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく
文化史上より見たる日本の数学
三上 義夫
三上義夫『文化史上より見たる日本の数学』。同一底本的分册已合并为一书。收入:文化史上より見たる日本の数学、芸術と数学及び科学、和算の社会的・芸術的特性について、数学史の研究に就きて。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 页
代数方程式を円錐曲線の交わりによりて解くことを、一種の方法として成り立たせるために最も功労のあった一人は、コラッサン(Chorassan)の詩人オマール・カイヤム(約一〇四五―一一二三)であった。この人は三次方程式を三項式と四項式との二種に区別し、その各種をそれぞれ族に別ち、各族を属に別けた。その各属は別々に論じたのであるが、しかし一種の一般方式に拠ったのである。三次方程式は計算にては解くことができず、四次方程式は幾何学を用いても解き得られぬと信じた。負根を採ることはしなかった。また正根もことごとく求めることは、しばしば成功しておらぬ。
かくいえば、オマール・カイヤムが成就し得なかったことをもあげてあるので、あまり実力のあった人らしくも思われないかも知れぬ。しかしその当時において、かくのごとき成功を収めたのは、もとより特筆すべきであった。
オマール・カイヤムのごとき回教国の代数学者が方程式解法について幾何学的方法を用いたのが、中国でホルナーの方法に比すべき近似解法を立てたのとは、全く様子の異なることは、注意しておかねばならぬところであろう。
オマール・カイヤムの出身地コラッサンはペルシアの一地方である。