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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页

青空文庫

僕たちの目ざす黄金の国は、ちょうどこの向岸の方角なんだから……」

例によって考え深い哲雄君が、名案を持出しました。

「アア、そうだね。そうすれば、食料も沢山つめるし、猿や鸚鵡も一緒につれて行けるからね。じゃあ筏をつくることにきめよう」

一郎君が感心したように言いますと、保君も「すてき、すてき」と賛成するのでした。

そこで、その日の午後から、三少年の手で、筏の製作がはじまりました。立木を倒すには、その後沈没船から探し出して来た鉞と鋸がありますので、その鉞を一番力の強い一郎君が立木の根元にうちつけ、保君が鋸を使い、きり倒した木を湖水に浮かべて、それを三人がかりで結び合わせるというわけです。結ぶのに、だいじな麻縄を使ってしまうのはもったいないので、森の中の木蔦のるいを切り取って縄の代りにし、かんじんの部分だけほんものの麻縄を使うことにしました。

そして、その翌日の夕方には、湖水の岸に、大きな筏が、子供の手際とは思えないほど立派に出来上って、浮かんでいました。保君はそれを見て、筏の進水式だといって、大はしゃぎです。

その晩は洞窟の中で眠って、夜のあけるのをまちかねて、筏の上に道具るいのつみこみがはじめられました。