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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页

青空文庫

そこで、筏につんであったシーツの白布をさがして、てんでにそれをシャツの上からぐるぐるとまきつけ、やっといくらか寒さをしのぐことが出来ました。

「君たち、お腹がすきやしない? 僕はぺこぺこだよ」

大ばたらきをした一郎君が、第一に空腹をうったえました。

「うん、僕もだよ。箱の中に食料が入れてあったね。あれをたべようよ」

保君がさっそく賛成しました。

そこで、三人は又手さぐりで、筏につんである木箱のそばにより、その中の鳥のあぶり肉だとか、パンの木の実だとかを取出して、たらふくつめこみました。

「ああ、おいしかった。まだたくさん残っているね。あと五日分ぐらい大丈夫あるよ」

たべることにかけては、保君が一番ぬけ目がありません。手さぐりで、箱の中の食料をちゃんと計算していたのです。

みんなお腹がくちくなると、しばらくはだまりこんでいましたが、そうしていますと、くら闇というもののこわさが、だんだん心の中にひろがって来るのでした。

「何だかへんだねえ。ここはどこなんだろう。どうしてこんなに静かなんだろう」

まず保君が、たまりかねたように口をきりました。

「やっぱり洞穴の中だよ。