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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
鎧も全部金色にかがやいていますが、そのつくり方は、やっぱりどこの国の鎧とも似ていません。しいていえば、国史でおそわった日本の埴輪に、どことなく似ています。神武天皇のお供をした、私たちの先祖は、ちょうどこんな鎧を着ていたのではないかと思われるような、古風なつくり方なのです。
手や足ははだかのままで、胸と腹と腰のまわりだけ、鎧でかくされているのですが、そのはだかの足の先には、西洋の大昔の武士がはいたサンダルという革のわらじとでもいうようなものをはいていて、そのサンダルまでが、うすいしなやかな黄金で出来ているのです。
手にはみな長い鎗を持っていましたが、その鎗の柄にも、金がまきつけてあるという調子で、何から何まで黄金ずくめなのです。この土地にはよほど大きな金山があるのにちがいありません。
そういういでたちの十幾人の土人が、ノッシノッシと大またに歩いて来るのですが、皆が足を動かすたびに、鎧のすそがふれ合うのでしょう、チャリンチャリンと美しい黄金の音色が、まるで音楽のように聞えて来ます。風鈴が、いくつもいくつも風に吹かれて鳴っているような、やさしい涼しい音色です。