轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
× × ×
一郎君は、誰かに呼び起されているような気がしました。
「ア、お母さんが起していて下さるんだな。寝坊をしてしまった。早く起きて、ラジオ体操をしなくっちゃあ」
そんなことを考えて、フッと目を開きますと、鼻の先に犬の顔が見えました。一匹の犬がクンクン言いながら一郎君にすりよっているのです。
オヤ、変だなと思いながら、寝たままで遠くの方に目をやりますと、何だか見なれぬ青々とした木が立ちならんでいます。お部屋ではないのです。
「じゃ僕は原っぱで寝ていたのかしら」
しかし原っぱでもありません。体の下には白い砂がギラギラと光っています。その砂っ原をズーッと目でたどって行きますと、白い波頭が見えました。ドドン、ドドンとうちよせている波です。
「ア、海岸だ、それじゃあ……」
一郎君は、やっと頭がハッキリして来ました。
「なんてのんきなことを考えているんだ。お家なもんか。僕は南洋の海でおぼれ死んだんじゃないか。でも、死んでしまった僕が、どうしてこんな海岸に寝ているんだろう。ア、わかった。助かったんだ。気を失っているうちに、あの恐しい嵐が、僕をどこかの海岸へ運んでくれたんだ。