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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
二匹とも逃げ出せないように、足をくくった紐のはしが、テーブルの下にむすびつけてあるわけです。
そして、三人と三匹とは、パンの木の実や、椰子の実や、鹿の肉や、お魚や、鸚鵡のためには特別に木の実の御馳走などもそろっていて、それをみんながおいしそうにパクつくのです。そういうの時には、少年達は葡萄酒を少しずつ飲むことにしていましたが、三人はその葡萄酒のコップを、たがいにカチカチとうちあわせて、やまと島の国民の健康を祝い、今後のしあわせをいのるのでした。
「僕達はもう、ちっともさびしくないねえ。こんなに大ぜい、なかまが出来たんだもの」
「そうだね。けど、どっかの汽船が、この島のそばを通りかかって、あの日の丸の国旗を見つけて、助けに来てくれれば、なおいいんだがねえ」
「ハハハハハ……、慾ばってらあ。そんなうまいわけには行かないよ。一月の間毎日海を見ているんだけど、船の煙さえ見えないじゃないか。もう船のことなんか、あきらめた方がいいよ。僕達はこんなりっぱな島の持主になったんだもの、ちっとも悲しいことなんかないじゃないか」
「でも、なんだか変だねえ」
「何がさ?」
「あんまり平和すぎると思うんだよ。