轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

01 第一部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 148,519 字 · 296 页

青空文庫

――御本心からですか。

「いつか船岡(原田甲斐)が伺候したときなどは、いかにもしていまいちど世に出る、自分を隠居させたのは陰謀だと、佩刀を抜いて暴れたそうだ」

――御乱酔のことはうかがっています。

「綱宗どのに同情し、心をよせる者も少なくない、誤った同情から、どんなことを企む者があるかも計りがたい、事実、すでに不審なことが二三あったのだ」

――私には信じかねます。

「信じろとは云わぬ、信ずる必要もない、そのほうは一身を棄てる覚悟で、抱守の役をはたしてくれればよいのだ」

――その覚悟はできています。

「それでよい、呼んだのはその覚悟を聞くためだった、おれの眼に狂いはなかった、さがるがいい」

――ひと言うかがいます。

「なんだ」

――綱宗さまに心をよせる者があり、綱宗さまを世に返そうと計っているのは、事実でございますか。

「おまえは信じなくともよい」

――では、亀千代ぎみの御身辺に、なにごとかすでにあった、と仰せられるのも、事実なのでございますか。

「おれは信じろとは云わぬ、おれがそのほうに頼むのは、そのほうにとって抱守が大役であり、他の二人の同役とはべつに、幼君守護の責任をもつということだ」