轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

01 第一部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 148,519 字 · 296 页

青空文庫

「では申しましょう」と甲斐は頷いて云った、「私は詳しいことは知りませんが、御領内の金山は、政宗公が豊家から拝領したとき、いかほど金を産するとも、自分に処理して、公儀に召しあげられることなし、という証判が付いておりました」

「わしはそんなことを訊いてはいない」

「以来、――御領内には」と甲斐はつづけた、「金山本判持という者が置かれ、これが鉱山を経営して、毎年それぞれ役金を藩におさめております」

「だからどうだというのか」

「もし仮に、本藩で公儀へ、産金のいくばくかを献納するとすれば、その金山は本藩に属するでしょう、そうでないとすれば、鉱山は土地に付いたものですから、その土地を領する人に属するのが当然ではないでしょうか」

「それが、そこもとの、意見なのだな」

外記は辛うじて喚くのを抑えた。外記が喚くのをがまんしたことは、その顔が赤く怒張し、唇が見えるほどふるえるのでわかった。

「なるほど」と外記は云った、「それで船岡どのに、一ノ関さまの御贔屓のかかっている理由がわかった」

「これはどうも」と甲斐は目礼して云った、「たって意見を述べろとのことで、思いつくままを申し述べたのですが、米谷どのにはお気にいらぬとみえますな」