轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ししゃのけんり

死者の権利

浜尾 四郎

「週刊朝日 秋季特別号」1929(昭和4)年9月20日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,854 字 · 61 页

青空文庫

世に表われぬ動機がなかったと誰が確言できますか。

婚約者との破談、社会的の名誉(尤もあんな獣には名誉も何もないはずですが)、これらを犠牲にしても何者かを得る、または小夜子から逃れる、ということが彼にとってより一層重大だったと思われぬこともないではありませんか。

私とても確証がないからあれを殺人事件とは確言はしませぬ。然しそう思い得る点は十分あります。

春一はホテルのようすを予て知っていたのです。ホテルの室に入ってからストーヴを見たとします。わざと小夜子を怒らせることは出来たはずです。彼女に手を出させた後、かねて狙いをつけているストーヴに彼女をたたきつけたとします。これは首を絞めて殺すのとただ手段が違うにすぎません。立派な人殺しです。

何が故に春一は小夜子をホテルにつれ込む必要があったか。それは傷害致死という罪にするためです。彼のいった如く、もし彼が小夜子を殺す気であったなら、郊外の草原ででも殺し得るでしょうか。(彼のいいそうなトリックです)私はそうは思いません。もし草原の中から小夜子の死体が発見されたならば、必ず彼は殺人罪によって処断されます。彼は何人か近くにいて、女が彼をののしるのを聞かせたかったのです。