轻松读懂日语经典作品
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
「群像」講談社、1963(昭和38)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 111,430 字 · 226 页
強い風がどっと吹きつける度に、杉の梢はゆらゆらと揺れ動いた。春先になると関東地方では、とかくこんな風が吹くのである。
「そろそろ歩くか」
私たちはゆっくりと歩き出した。玉砂利が靴の裏できしきしと鳴った。
杉並木は下枝がおろしてなく、円錐形に並び、無精者の髪の裾毛みたいに、参道に低くむくむくとはみ出していた。しかし近づいて見ると、おろしてないのは参道側だけで、背後の下枝はすっかり刈り取られ、竹や雑木や草などが密生している。風通しが悪くなるのをおそれて、このような変則な刈り方をしたものだろう。それが何となくおかしかったので、私はわらった。
「インチキだね、これは」
池があって鯉が何匹も泳いでいた。栄介はそこに足をとめた。先に立つ幸太郎は、玉砂利のためと風のために歩きにくいらしく、歩度が遅い。池でも眺めて時間をつぶさねば、すぐ距離がつまってしまうのだ。鯉たちはばらばらになったり、私たちが動くと二列か三列に行列して泳いだりした。日当りの悪いせいか、黒鯉も緋鯉も色褪せて、姿も豊かでなく痩せていた。私たちはしばらく池のはたを徘徊して、魚の動きを観察した。
陵は小高い丘の上にある。