轻松读懂日语经典作品
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こうばいつきげ
紅梅月毛
山本 周五郎
「富士」大日本雄辯會講談社 、1944(昭和19)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,869 字 · 32 页
半之丞も絶えず見に来て、飼葉の選み方や量の案配をしたり、排泄物の具合をしらべたりした。馬は半之丞を見るとよく嬉しげに嘶いた、そばへ寄るとなにか訴えでもするように首をすりつけたり、やさしく手を噛んだりする、自分には示さない馬のそういう愛情の表現をみると、お梶はつい嫉ましい気持を唆られた。そうされる主人への嫉みか、そんなに甘えられる馬への嫉みか、どちらともなくついかっと胸が熱くなるのだった。「拾って頂いたのが嬉しいのでございましょうか、まるで十年も飼われたような懐き方でございますね」お梶がそう云うと、半之丞はふとふり返ってなにか云おうとした、しかしすぐ思いかえしたようすで、うんと頷いたきりしずかに馬の平首を撫でていた。
半月ほど経つと牡丹をせめる合間合間に、半之丞はその駄馬を曳きだしてまず庭内から乗りはじめた。みんなびっくりした。牡丹を見馴れている眼にはあんまり違いすぎるので、なんのために半之丞がそんな馬を飼いたてようとするのか見当がつかなかった。阿市もあっけにとられたように眼を瞠ったし、二人の下女はくすくす笑いながら、「あれは百姓馬ですよ」とか「あれでも馬かしら」