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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页
やっと振りほどいて見ると、支那人の幇間の華玉川がにやにや笑いながら立っていた。
「清ちゃん、別嬪さんを連れて澄ましてどこへ行くの?」
「知らないよ。」
「教えてくれないと、もうお祭がきても肩車をして屋台踊を見せてあげないから。」
「二葉屋へ行くんだよ。」
「さては、またけいらん巻を買いに行くんだな。」
「違わい。」
「はははは。家へ帰ったら御隠居さんによろしく。」
桜川華玉川は支那人の幇間で手品を売物にしていた。大男でいつも支那服を着ていた。その年も京二の君津楼の初午の催しで、得意の手品で私たちを堪能させてくれたが、声色、手踊なんかよりはこの方が子供たちには人気があった。
角町の角の見番の前でも髪結のおさださんが、清ちゃん、どちらへと云って、ものずきな眼つきをしてお糸さんの方を見た。
二葉屋の帰りに揚屋町の角でお糸さんと別れて、私はお師匠さんの許へ行った。そこでは連中の人たちが次の温習会の日取や席亭の相談をしていた。駒形の並木倶楽部で派手にやろうと云う人もいたが、近いところで三の輪の新世界でやることにきまった。私たちの清元の会は巴会という名称で、いつも足場のいいところから、土手八丁もようやく尽きる処三の輪のとばくちにある新世界という料理屋兼業の家か、たまには土手向うの田中町にあった吉影亭という貸席を借りて催した。