轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页
早春
おきぬは武蔵野市のはずれにある、アパートの女中である。ことし十九になる。小柄でまるまるとふとっていて、お団子のような感じがする。油気のない髪をしていて、器量もまずい。男の気を惹くようなところは、なにもない。けれども、その細い象のような目には善良な光が宿っていた。
おきぬの生家は、ここからさほど遠くない、西多摩の羽村にある。父親の商売は豆腐屋で、おきぬは次女であるが、つてがあって半年ほど前にこのアパートに女中として住込んだ。姉弟の多い家庭で暮らしも楽でなかったので、一人でも口が減れば、それだけ助かるわけであった。
このアパートは戦争未亡人のおかみさんが、女手一つで経営しているもので、なかば下宿屋であった。おきぬはとくに気がきくという方ではなかったが骨惜しみをしないでよく働いた。この年頃にしては、洒落気も色気も見えなかった。子供の頃から自分のことを姉弟中で一番おたふくだと思い込んでいた。僻みではなかった。素直にそう思っていた。
家にいた頃、幼い弟が彼女に向って、
「おきぬのおかめ。やい、おきぬのおかめ。」
と憎まれ口をきくと、
「こら。おかめって云ったな。