轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
岡本綺堂『蜘蛛の夢』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蜘蛛の夢、穴、有喜世新聞の話、恨みの蠑螺、火薬庫、真鬼偽鬼、慈悲心鳥、女侠伝、廿九日の牡丹餅、放し鰻、馬妖記、平造とお鶴。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,189 字 · 298 页
つづいて門をたたく者があった。秋山は待ちかねたように飛んで出て、中間や下女を呼び起すまでもなく、自分で門を明けにゆくと、細かい雨がはらはら顔を撲った。暗い門の外には奥野と藤次郎が立っていた。
藤次郎はまず奥野の門をたたいて、それから二人で連れ立って来たものらしい。秋山はすぐに彼らを奥へ通すと、奥野は急いで口を切った。
「どうも案外な事件が起りました。」
「どうした。やっぱり柳島の一件か。」と、秋山もすこしく胸を跳らせながら訊いた。
「そうでございます。」と、藤次郎が入れ代って答えた。「奥野の旦那がお引揚げになってから、わたくしは亀屋のそばの柳屋という家に張込んでいました、伊八の奴はそこへたびたび飲みに行くことを聞いたからです。おとといもきのうも来なかったから、今夜あたりは来るだろうというので、わたくしも客のつもりで小座敷に飲んでいました。亀屋は二階屋ですが、柳屋は平屋ですから、表の見えるところに陣取っていると、もう五つ(午後八時)頃でしたろうか、頬かむりをした一人の男が柳屋の店の方へぶらぶらやって来ました。どうも伊八らしいと思って家の女中にきいて見ると、たしかにそうだと言うので、油断なく見張っていると、伊八は柳屋の前まで来たかと思うと、又ふらふらと引っ返して行きます。