轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
岡本綺堂『蜘蛛の夢』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蜘蛛の夢、穴、有喜世新聞の話、恨みの蠑螺、火薬庫、真鬼偽鬼、慈悲心鳥、女侠伝、廿九日の牡丹餅、放し鰻、馬妖記、平造とお鶴。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,189 字 · 298 页
予はそれとなく探りを入れて、磯貝はお冬さんと何かわけでもあったのかと訊けば、小せんは断じてそんなことはあるまいという。予はいよいよ安心して自分の座敷に戻る。
午後一時頃に田島さん再び来たる。被害者が資産家の息子だけに、この事件は東京の新聞にも詳しく掲載されてあるとの話なり。現に東京の新聞記者五、六名も田島さんと同じ汽車にて当地に入り込みたる由なれば、田島さんも競争して大いに活動するつもりらしく見ゆ。田島さんは宿で午飯を食いてすぐに出て行く。晴れたれども涼しい風がそよそよと吹く。――夕方に田島さん帰り来たりて、警察側の意見を予に話して聞かせる。兇行の嫌疑者に三種あり。第一は東京より磯貝のあとを追い来たりしものにて、彼の父は実業家とはいえ、金貸を本業として巨万の富を作りたる人物なれば、なにかの遺恨にて復讐の手をその子の上に加えしならんという説。第二は小せんの情夫にて、かれは鹿沼町の某会社の職工なりといえば、一種の嫉妬か、あるいは小せんと共謀して欲得のために磯貝を害せしやも知れずという説。第三はかのお冬の父の六兵衛ならんという説。折井君は頻りに第三の説を主張していれど、これは根拠が最も薄弱なりと田島さんはいう。