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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
227 怪盗系図
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 157,440 字 · 313 页
「何人集めた」
「丁度十人です」
「お前を勘定に入れると千十人か」
「ヘエ?」
「お前一人が千人力さ――さア来い、少し遠いぞ」
平次はもう明るい日ごろの平次に還っておりました。明神下から両国まで飛ぶと、そこから早船を仕立てさせて、いっ気に綾瀬へ――。
「何処へ行くんです、親分。駆け出した方が早かありませんか」
八五郎は舟足の遅いのに気を揉んで、自慢の鉄脚をたたいたりしております。
「後をつけられているんだよ。船で行くと相手がマゴつくから面白いじゃないか」
平次は面白そうに、両国橋の上をウロウロする二、三人の影を指さしました。綾瀬川を少し上ると関屋の里から、花菖蒲の名所の堀切村になります。
「ここだよ、八。謎の文句の最初のあやめというのは」
「花合せじゃなかったんですね――三ノ二というのは何んです、親分」
「三ノ二じゃない、二ノ一だよ。相手にあの紙片を引渡すとき、おれは謎の文句に少しばかり細工をしたのさ。二ノ一へ一本ずつ棒を引くと、三ノ二になる」
「なるほどね、ところで、その二ノ一というのは?」
「釣場の番号か、石垣の数だろうよ」
「ヘエ」
「近江屋半兵衛は釣りが道楽だったと聴いて、おれは謎を解いたよ。