轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しゃべりすぎる

饒舌りすぎる

山本 周五郎

「オール読物」文藝春秋新社、1962(昭和37)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,957 字 · 55 页

青空文庫

十太夫はまた土田のその眼をじっと見まもっていて、それから唇で微笑した。

「よし、それ以上饒舌るな」十太夫はいかにも先輩らしく云った、「土田は結婚してまだ三十日ちょっとしか経たない、おれはもうその十倍も経験しているんだ、いいか、ほぼ三百日も結婚生活をしているが、まだ女房とのあいだに一度だって不愉快なことが起こったためしはないんだぞ」

土田正三郎は手酌でゆっくりと飲んだ。おいせが新しい燗徳利を二本持って来、二人の前にあいている徳利と替えていった。十太夫は新しい徳利から酒を注ぎ、横眼で土田を観察しながら、独りでしきりになにか合点していた。

「そうだ、そのとおりだ」と十太夫は頷いて云った、「結婚生活をうまくやってゆくにはその点が大事だ、その点さえ故障がなければ、たいていの不平不満は解決されるものだ、土田はそこに気がつかないんだろう」

土田正三郎は唇をまるくしながら、やむを得ない、とでも云うふうに首をかしげた。

「心配するな、おれがうまく指南してやる」と酒を啜って十太夫が云った、「おれも二月に祝言して、しづと寝所をともにするようになってから気がついたんだ、おれたちは、と云うのはつまりおれと土田のことなんだぞ、――おれたちは二人ともおんなを知らなかった、酒は早くから飲みだしたし、娘に惚れることは惚れた、しかしおんなに触れる