轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
う
鵜
山本 周五郎
「講談倶楽部」博文館、1954(昭和29)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,733 字 · 38 页
「どうしてもだめなのか」
「お願いよ、そんなお顔をなさらないで、あたしを困らせないでちょうだい」
六月が過ぎ七月になった。
このあいだに、柏原図書がしばしば来て、そのたびに段平があぶらをしぼられた。たとえ雇い仲間でも家来は家来である、主人がそんなに不取締りなのに黙って見ているやつがあるか、素行のおさまるように意見の一つもしてみたらどうだ。などと云われるのである。しかし段平にはどうしようもない、なにを云っても旦那はてんで受けつけないし、ちょっと諄く云えば「黙れ」とどなられる。そのうえ、旦那は悪所がよいをするわけではなく、下手くそな(一遍も魚というものを持って帰ったためしがない)釣りに凝っているだけなので、段平は却って旦那のほうに同情するようになった。
「それでは柏原さまの旦那にうかがうだが」と段平はついに云った、「いってえうちの旦那の素行がどう悪いですかえ、博奕をぶつとか呑んだくれとか、新町へ入浸るとかいうならべつだが、ただへえ魚釣りに凝ってるだけじゃねえですか、それも一尾のだぼ鯊せえ釣って来たためしがねえだで、殺生ちゅうことにもなりゃしねえだ、おらにゃあ意見なんてぶちようがねえですだよ」