轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

う

鵜

山本 周五郎

「講談倶楽部」博文館、1954(昭和29)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,733 字 · 38 页

青空文庫

柏原図書は顔をしかめ、段平の無知を憐れむように手を振った。しかしそれ以来、柏原の旦那の足はしだいに遠のくようであった。

七月になると、ただこのようすが変りだした。彼女は胸を隠すようになった、白い晒し木綿の半襦袢を着、そうして腰の二布も緋色でなく、やはり白の晒し木綿に変えた。気分にもむらがでてきて、いっしょに泳ぎながら、ばかげてはしゃぐかと思うと、急に黙りこんで、彼をしみじみと眺めたり、溜息をついたりするのであった。

彼女のこういう変化に、半三郎は殆んど気がつかなかった。或るときふとそれに気づいたが、いつから襦袢を着はじめたか、いつから二布を晒し木綿に変えたか、はっきりした記憶はなかった。

――どうして気がつかなかったろう。

彼はただこに訊こうとして、口まで出かかったのをやめた。

――なにを訊く必要があるんだ。

と彼は自分に云った。ただこは初めすはだかで彼の前にあらわれた、次に腰を二布で隠し、それから胸を隠すようになった。

――この事実だけで充分じゃないか。

そうだ、充分だ。と彼は思った。

「いちどいっしょに食事をしよう」

七月の中旬になったとき半三郎が云った。