轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
作者――江戸川乱歩氏曰く「キング」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年8月号<br>黄金仮面「キング」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年9月~1931(昭和6)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 143,357 字 · 287 页
先頭の車はルパンがハンドルを握り、大鳥不二子さんと、今一人賊の部下が同乗していた。三人とも黄金仮面の扮装のままだ。
次のオープンカーは茶箱の様な贓品の荷物を満載して、二名の部下が乗っていた。残る二名は日本人であったから、首領と別れて別の方向に身を隠したのであろう。
速力はルパンの車が最も優れている様に見えた。第一の車と第二の車の間は約半町、第二の車と警察自動車の間は、一町程隔っていた。
「あなた行先の心当りがおありになって?」
不二子さんが運転席のルパンの肩に手をかけて、流暢なフランス語で、心元なく尋ねた。
「当てなんかありゃしない。だから一分でも一秒でも、逃げられる丈逃げるのだ。最後の一秒にどんな奇蹟が現われぬとも限らぬ。失望してはいけません。ごらんなさい。僕はこんなに元気ですよ」
ルパンの怒鳴り声が、矢の様に不二子さんの耳たぶをかすめて、うしろへ飛び去る。如何にもルパンは元気であった。五十哩、六十哩、彼の車は車体が撓う程の速力で、車輪も宙に疾駆した。
もう行手に品川の町が見えていた、東京市中へ入りさえすれば、何とか警察自動車をまくことが出来るだろう。