轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つばくろ
つばくろ
山本 周五郎
「講談倶楽部 秋の大増刊」大日本雄弁会講談社、1950(昭和25)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,987 字 · 44 页
――吉良が自分でつきとめた。
――どうにか始末しなければならない。
――だがどうしたらいいのか。
意識は痺れたように少しも動かなかった。まるで白痴にでもなったように、集中してものを考えることができず、想うことが端からばらばらに崩れ、とりとめのない断片ばかりが、休みなしにからまわりをするだけだった。
家へ帰って妻の顔をどう見たらいいだろうか。平静でいることができるだろうか。
彼はそれを案じた。だが思ったより心は穏やかで、夕餉も平生のとおり大助といっしょに摂った。妻のようすにも変ったところはみえなかった。却って明るく元気なふうでさえあった。……大助は半月ほどまえから自分で喰べるようになったが、まだ匙が自由に使えないので、顔じゅうを飯粒だらけにし、口へ入れるよりこぼすほうが多かった。へたに手を出すと怒るので、うまくだましだまし介添をしてやるのだが、顔に付いたのを取ったりこぼしたのを拾ったりする妻のようすは、若い母親の満足と喜びにあふれているように思えた。
――寝るまえに話そう。
高雄はそう思った。あっさり云いだせるような気持だったが、いざそのときになると云いだすことができなかった。