轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふゆがれ
冬枯れ
徳永 直
「中央公論」1934(昭和9)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,850 字 · 48 页
彼はその共済会の少年部の幹事だった。鷲尾が知ってるだけの材料で話し終る間若者は熱心に破けたズボンの穴を弄くりまわしながら、鳩のように丸い眼をクルクルさして聴いていたが、執拗い程質問を繰りかえした揚句、「よウし」と云った。
「見とれ、明日はあやつどんばたたきつけてやるけん――」
この若者には少しも屈託がなかった。いま非常に調子のたかい、こんど出来たという第××団の軍歌を唄ってるかと思うと、非常にハッキリした階級的なことを話す。鷲尾が内心駭いてるのは、この若者には一寸も左翼がったところがないこと、ちょっとも不自然でないことだった。その癖何でも知っている。兄貴に訊かれれば非常に明確に自分達の勤務状態などについて、たとえばダイヤが非常に強化されたこと、自分は五年も勤続して既に少年ではないのだが、依然として七拾銭の賃銀であること、近頃では交代が少なくなったので一ン日に一度は、弁当を車掌台に突ったったまま食わなければならぬこと等や、また土地で起った……………についてもびっくりするほどよく知っていた。
「それで、そんなにヒドくて、お前達の共済会は黙っとるのかい?」