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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
「雄辯」大日本雄辯會講談社、1929(昭和4)年4月号~1930(昭和5)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,944 字 · 202 页
土曜日の晩に級の懇親会があった。この散歩の翌日だったように覚えているが、もっと後だったかも知れない。席上、野崎君と赤羽君が組打をして卓子を倒したので、二十何年後の今日、未だに一つ話になっている。級長の立花君と副級長の吉田君が発起人で、英文の案内状が廻った。
「懇親会ってのはソーシャル・ガザーリングかい? 一つ覚えた。流石にミッション・スクールだ」
と野崎君が感じた。
「これは間違っている。会はソサイチーだ」
と赤羽君は別に説を立てた。
「その会とは会が違うよ」
「会は何でも会さ」
「団体の会はソサイチーさ。集会はガザーリングかミーチングさ」
「成程」
「分ったかい? 基督は紀元元年だよ」
と野崎君はこれ丈け余計だった。赤羽君は黙って唇を咬んだ。これがこだわりになったと思われる。
会は教室で催された。未だ電燈がなくて、ランプだった。それも発起人が自分のを持って行った。寄宿舎には集会室があったが、土曜日だったから、他の会で塞がっていたのだった。私達は教壇の卓子を中央へ持って来て、それを取巻いた。通学生は来なかったから、唯七名の会合だった。立花君が開会の辞を述べて、