轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

「雄辯」大日本雄辯會講談社、1929(昭和4)年4月号~1930(昭和5)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,944 字 · 202 页

青空文庫

昔の中学生

東京へ出るのと家から通うのでは費用が違う。中学を安上りにやれば、それから上の学校へ行く都合もつくんだ」

「はあ」

「町の中学へ通うなら、卒業してから明治学園の高等科へ入れてやる」

「分りました」

「師範なら兎に角物になるが、中学丈けじゃ全く仕方がない。俺もお前一人だから、何うにかする積りでお母さんと話し合ったんだ」

と父親は先の先まで考えていた。

昔の中学生

入学難の声の高い今日から見ると、私の中学時代は隔世の感がある。三十何年前、私の郷里の○○町に初めて中学校の出来た頃は入学試験どころの沙汰でなかった。学校当事者は入学志願者がなくて恐慌を来した。中学校長から小学校長へ鄭重を極めた依頼状が廻った。私は父親が小学校長だったし、県中へ入ることに定めていたから、その折その手紙を見せて貰って未だに覚えている。中等教育の必要を説いた上に、事情を訴えて、

「何卒右の儀、高等二学年修了以上の方々及び其父兄へ御懇話の上、一人にても二人にてもお遣し被下ば、邦家中等教育の為め、光栄これに如くもの無之候、頓首再拝」

と結んであった。然るに私は先頃三男の入学試験前に某中学校長を訪れたら、