轻松读懂日语经典作品
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
「雄辯」大日本雄辯會講談社、1929(昭和4)年4月号~1930(昭和5)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,944 字 · 202 页
何につけても定説を持っている。主張を始めたら、果しがない。一緒に散歩していると、口角泡を飛ばしながら、
「君、然うだろう? 何うだい?」
と一々肩で押す。
「おい。危いよ。僕は川へ落ちてしまう」
と時々注意しなければならない。
「河原君、基督教以外に人類の救済がないというのはジョンソン博士の我田引水論だよ。君は何う思う?」
と入学早々の頃、高木君が吹っかけたことを思い出す。運動場の芝生で話していた時だった。
「それは信仰の問題さ」
「無論然うだけれど、その信仰が当を得ているか得ていないかと訊くのさ」
「僕は信者だから、基督以外に救主はないと思っている」
「他の宗教じゃ駄目かい?」
「無論」
「君の信仰によると、神さまは大変不公平なものになるぜ」
「そんなことはない。神の愛は一視同仁だ」
「違う。西洋人に厚くて、東洋人に薄かった」
「何故?」
「君の信仰に従うと、神さまは基督紀元以来欧羅巴人丈け救って、東洋人を救わなかったことになる」
「それは交通の関係さ」
「ふん。全能の神さまが交通に超越出来ないんだろうか?」
「…………」
「君」
「何だい?」
「要するに宗教も食物と同じことだよ」