轻松读懂日语经典作品
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
「雄辯」大日本雄辯會講談社、1929(昭和4)年4月号~1930(昭和5)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,944 字 · 202 页
憎らしい。こゝにいるハワース先生、日本語、未だ少しも出来ません。この間先生の自転車、人力車に当りました。俥屋さん、憤りましたが、先生、日本語、分りません。巡査さんが来て、先生にあやまりました。又、この間私の自転車、人力車に当りました。私、日本語出来ます。俥屋さん、『生意気な野郎だ』と申しました。巡査さんが来て、長いこと、私を叱りました。私、日本語出来るの損を感じました。何うぞ、皆さん、誤解なきように願います」
と結んだ。何の誤解か分らない。恐らく余り日本語が上手なので、野崎君が憤ったと思ったのだろう。
その日、野崎君と赤羽君の問答が面白かった。
「君、何うする?」
と赤羽君が訊いた。
「矢っ張り退学する」
「それじゃ約束が違う」
「何故?」
「苟くも刎頸の交を結んだ以上は、君が退学すると、僕も退学しなければならない」
「君は勝手にし給え」
「一体君は何が気に入らないんだ?」
「僕はお金儲けの学問だ。実業界が志望なんだからね」
「僕だって然うだよ」
「それなら行動を共にし給え」
「いや、僕はこゝで勉強しても同じことだと思う」
「こゝは魂の問題が先じゃないか?」
「あれは人格のことだよ。