轻松读懂日语经典作品
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
「報知新聞夕刊」1930(昭和5)9月30日~1931(昭和6)3月12日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 190,554 字 · 381 页
配電室といっても、開館と同時に、全部の電燈を点じ、閉館の時、その大部分を消せばよいのだから、電気係は、ここに詰切っている訳ではないのだ。
マスクの男は、文代が部屋に入るのを待って、ピシャリ扉を閉め、どうして手に入れたのか、ポケットから鍵を出して、錠をおろしてしまった。
「アラ、何をなさいますの? ここには明智さんなんて、いないじゃありませんか」
文代は非常に驚いた体で、男の顔を見つめた。
「フフフフフフ、明智さんですって? あなた、本当にあの人が、ここにいると思ったのですか」
男は薄気味悪く笑いながら、落ちつき払って、そこに転がっていた何かの空箱に腰をおろした。
「では、どうしてこんな……」
文代は、配電線の前に立ったまま、恐怖に耐えぬものの如く、声を震わせて尋ねた。
「お前さんと、さし向いで、話がして見たかったのさ。ここはね、俺の隠れがなんだ。誰も邪魔をするものはありやしない。電気係の奴は、ちゃんと買収してあるから、仮令ここへやって来ても、お前さんの味方はしやしない。……フフフフフフフ、流石の女探偵さんも、驚いた様だね、なんてうまい隠れがだろう。いざという時にや、スイッチを切って、場内を真ッ暗にしてしまえば、つかまりっこはないのだからね」