轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

「報知新聞夕刊」1930(昭和5)9月30日~1931(昭和6)3月12日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 190,554 字 · 381 页

青空文庫

「僕が倭文子さんの好意にあまえ過ぎたのです。僕が若かったのです。賊のことで、少しばかり尽力したのを、皆に感謝されていると思って、いい気になり過ぎたのです。執事の老人にしては、目にあまる様な振舞もなかったとはいえません。とうとう老人が、倭文子さんにそのことをいい出したのです」

風船男の溺死によって、畑柳家に禍する悪魔は亡びてしまった、と誰しも考えた。大事件が終息すると、その蔭に隠れていた小事件が、ひどく目立って来るものだ。

老人が倭文子さんと三谷青年との、みだらな関係を苦々しく思い出したのは無理もない。それがとうとう爆発したのだ。

朝から訪ねて来た三谷と二人切りで、一間にこもっていた倭文子を、老人が外の用事にかこつけて、別室へ呼び出した。

倭文子も大方それと察したのであろう。召使達に聞かれることを恐れて、先に立って、二階の書斎へ入って行った。

二人はそこで長い間口論を続けた。激した言葉が、偶然外の廊下を通りかかった女中の耳にさえ、漏れ聞えた程だ。

いつまで待っても、二人とも降りて来る様子がないので、一同少し心配になり出した。

「ひっそりして、話声も聞えやしない。