轻松读懂日语经典作品
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
「報知新聞夕刊」1930(昭和5)9月30日~1931(昭和6)3月12日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 190,554 字 · 381 页
「温泉で名刺を貰っていました。何でも渋谷辺の、ずっと郊外の様に記憶しています」
「まだ、そこを調べて見ないのですね」
成程、岡田の元の住所を調べて見るという手があったな。と三谷はちょっと迂濶を恥じた。
「イヤ、いずれそこへも、行って見なければなりますまい」
明智はニコニコしながらいった。
「併し、先ず第一に、現在の賊の巣窟を見たいと思います。あなたの所謂妖術が、どんな風にして行われたか。そいつを調べたら、自然賊の正体も分って来る訳です」
「ではお差支えなければ、これから直ぐ青山へ御出かけ下さいませんでしょうか」
三谷は、名探偵を見上げる様にしていった。
明智はこの事件に、ひどく興味を覚たので、少しも勿体ぶる事なく、直に同行を承諾した。
ところが、いざ出発という間際に、甚だ幸先の悪い出来事が起った。
明智が外出の支度をして、文代さんに留守中のことをいい残していた時、一足先に廊下へ出ようとした三谷が、ドアの下の隙間から、一通の封書が覗いているのを発見した。誰かが黙って差入れて行ったものに相違ない。
「アア、お手紙の様です」
彼はそれを拾い上げて、明智に渡した。