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あいこくしんわたしはこうおもう

和人は舟を食う

知里 真志保

知里真志保『和人は舟を食う』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『愛国心』私はこう思う、あの世の入口、生きているコタンの銅像、おば金成マツのこと、金成マツとユーカラ、学問ある蛙の話、言語と文化史、洞爺湖の伝説、日本語とアイヌ語の関係、図書館通い、アイヌ語学、アイヌ語のおもしろさ、アイヌ宗教成立の史的背景、ホッキ巻。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 70,567 字 · 144 页

青空文庫

このゆりかごが叙事詩の中では更に空想化されて、空飛ぶ乗物、文字どおりの航空船になり、神々がこれに乗って大空を自由に往来するように述べられており、樺太の叙事詩ではそれを特にサランペポンチピ(絹製の小舟)と申しておりますので、いよいよそれに対するアイヌの考え方というものがはっきりしてまいります。

樺太アイヌの冬の交通運搬具に有名な犬橇があります。橇台に犬を装備したものをヌソと申しますが、これはギリヤーク語からはいったことばであります。この橇台だけ、犬をはずしたあとの橇台だけをアイヌはシケニといいますが、それは「荷物を背負う木」という意味で、北海道では背負いはしごにいう名称であります。そしてその橇台は先ほど申したシンタ、すなわちゆりかごと同じ形のものであって、しかもアイヌはそれをやはり舟と考えていたのであります。

犬橇で物を運ぶことをアイヌ語ではイクサと申しますが、イクサは本来舟で向う岸へ物を渡すことであります。この犬橇に荷物を積んで、その上に魚皮でつくった覆いをかぶせますが、その覆いをイクサカヤと申します。イクサは前申しましたとおり舟で物を運ぶこと、カヤは一般に帆の意味に用いられる語であります。