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じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

「自警」1947(昭和22)年1月~1948(昭和23)年1月(5、6、11月は欠)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,419 字 · 152 页

青空文庫

なにしろ気がついたのが、つい先刻のことだったものですから――ですが、こうなれば僕は、検事さんのお許しを願って、その方向の捜査をしながら一々回答を出して行こうと思うんですが、どうでしょう」

「つまり君は、瓦斯中毒説を立証する捜査を自分に委せよ、そして皆ついて来いと、こういうんだね」検事はいった。「それもいいだろう。私は君にしばらく捜査を委せてもいいと思う。外に誰か異議があるだろうか。異議があればいいたまえ」

誰も異議を唱える者はなかった。そこで帆村は独自の捜査を進行することとなった。

「まず旗田亀之介氏を訊問したいのです。ここへ連れて来て頂きたい」

何のための故人の弟の訊問か。

やがて亀之介は入って来た。今日は服装も前日に比べてきちんとしている。昨夜の酒量も呑み過ぎたという程ではない顔色だった。

「もう真犯人はきまりましたか。誰でした。え、まだですって、まだ分らないんですか。なるほどこれは大事件だ。連日これだけの有数な係官を擁しても解けないとは。……検事さん、兄は心臓麻痺で死んだという話だが――ええ、早耳でね、僕のところへも聞えて来ましたよ――するてえと兄は病気で急死したんじゃないんですか。