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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
「自警」1947(昭和22)年1月~1948(昭和23)年1月(5、6、11月は欠)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,419 字 · 152 页
鶴彌氏が死んだばかりではなく、洗面場の下にいた鼠までが死んだのですからねえ」
帆村はようやく亀之介訊問の意図をはっきりさせた。
外に感想はと、帆村が重ねて聞くと、大寺警部は笑いながらいった。
「君はひどいね。亀之介をうまくひっかけたじゃないか。芝山は押入の中に入っていたが、入って来た人物の顔を見なかったというのに君がさっき亀之介にいった話は、芝山が亀之介を見たように聞えたよ。もっとも君は、芝山が見たとはいわなかったが、亀之介はあれで見られたと思って恐れ入ったのだろう」
「いや、あれは苦しまぎれの手段です。見のがして下さい」
と帆村は頭を掻いた。帆村の要請で、次にこの部屋へ呼び出されたのは家政婦の小林トメであった。
「小林さん。この前もあなたによく見て調べてもらったんですが、もう一度調べてもらいたいのです。ここに写真がありますがね……」
と帆村は、死者の前にあった小卓子の上に並んでいる皿や酒壜や灰皿などの写真を小林の手へ渡し「このテーブルの上に二十七点ばかりの品物がのっていますがね、この中からあなたがあの晩この部屋へ持ちこんだ物はどれとどれですか、選って下さい」