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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
「自警」1947(昭和22)年1月~1948(昭和23)年1月(5、6、11月は欠)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,419 字 · 152 页
家政婦小林の部屋の中に発見されたからである。
「一体このピストルは、どこに在ったのかね」
と長谷戸検事は、ピストルの発見者の佐々部長刑事に尋ねた。
「それは家政婦の部屋を入ったすぐ右手に茶箪笥がありまして、その上に口の広い磁器の花瓶が載っていますが、その中に隠してあったのです」
佐々は手真似もして、それを証明した。
「花が活けてある花瓶かね」
「いえ、花は挿してありません」
「じゃあ空かね」
「はい。今ここへ持って参りましょう」
「いや、こっちから行くよ」
検事は腰を上げた。
そのときお末を監視していた巡査がお末はこのままにして置くのか、元の部屋へ帰らせていいのかを検事に尋ねた。
「ああ、元の部屋へ行って貰おう。やっぱり外出は厳禁だよ」
検事はそう言い置いて、家政婦の部屋へ行った。小林の部屋は一階の右の奥で、勝手より手前であった。狭い廊下を入ると、左側に入口があって、一坪の板の間があり、扉がこれへ開く。その奥は、床が高くなっていて、障子を開くと六畳の間と二畳の間があり、二畳の間は、一坪の板の間の右隣となっている。また六畳の間には二間の押入がある。問題の花瓶は、その二畳の間に置いてある茶箪笥の上に載っていたが、なるほど花は活かっていない。