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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
同君は「穂井田忠友の保護者であった奈良奉行梶野土佐守の筆録に、奈良坂村唯一の古証文なる寛元二年(西暦一二四四)の文書の断片を載せている」といわれて、さらにこの文書の内容から、夙の徒もかつては立派な毛坊主であったことを立証せられているのである。しからばこの文書は、もとは奈良坂村に伝えていたものであったとみえる。神宮文庫が山田の某書店から買い入れたという同年四月の文書も、はたして大西君の言わるる如く同時代のものたる疑いを容るるべからざるものであってみれば、やはりもとは奈良坂村にあったものが、佐藤氏所蔵三月付の文書よりも先に散逸したものと思われる。
右の両文書、ともに誤写、読みにくいところもあるが、今彼此を参酌して当時の事情を推測してみると、大要次のような事件があったらしい。
京都清水坂の非人などのうちに、吉野法師・伊賀法師・越前法師・淡路法師等が、さしたる過まりなきにかかわらず、長吏法師のために追放せられて、奈良坂宿へ嘆願に及んだ。奈良坂の播磨法師は、かねて清水坂の長吏法師に恩を着せた関係があり、父子の契約をさえ結んだ間柄であった。かつて清水坂の長吏法師が、同宿の阿弥陀法師のために追い出されて若狭の小浜に籠居していた際、その懇願によって播磨法師は、東大寺の寺務(?)二条僧正にとりもって、もとの如く清水坂に還