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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
坊主などという語までが用いられる。したがって僧侶に対して坊主の語を用いなどすれば、自分を侮辱されたるものとして、不快の感をもって迎えられるというような情勢になっているのである。「坊主」と「法師」とにはたしてこんな区別的の意味があるのであろうか。
法師とは言うまでもなく法の師である。便宜上『仏教大辞典』引用の文句を拝借すると、『法華経序品』には、「常修二梵行一皆為二法師一」とあり、『三徳指帰』には「精二通経論一、曰二法師一」といい、『因明大疏』には、「言二法師一者行レ法之師也」ともみえている。その言うところ区々ではあるが、要するに仏法に通じた修行者の名で、尊敬すべき称号である。
わが国で古く法師の語のみえるのは、『日本紀』武烈天皇七年条の法師君をもって始めとする。これは百済斯我君の子で、子孫がわが国に留まって倭君となったとある。これを法師君といったのは、いずれ仏法に起因した名と解せられる。百済はすでにこれより先百二十余年前、枕流王の元年に、胡僧摩羅難陀によって仏教が伝えられていたのであったから、この頃法師君の名があってもしかるべきところである。あるいは仏法すでにこの頃我に伝わっていたのかもしれぬ。