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へいわじぎょうのしょうらい

平和事業の将来

大隈 重信

大日本平和協会会長推戴式での演説、1910(明治43)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,320 字 · 23 页

青空文庫

〔困難なる平和事業〕

これは私はあまり細かく言うことを好まぬが、事実を事実として述ぶることは最も必要である。これを述べなければ、真の平和は来らぬのである。まず日本人、東洋人というものの世界に於ける地位は、どうであるかということが最も必要である。全体、平和を破るのは何処であるかというと、文明の程度の低い国が、平和を破るのである。欧羅巴の一世紀間の平和をして、不安の念を抱かしめたのはバルカンである。東洋に不安の念を懐かしめたのは満韓である。即ち支那である(拍手)。

〔困難なる平和事業〕

日本は国としては、世界に於ける列強の伍伴となったのである、少なくとも世界に於いて、指を屈する強大国となったのである。英国、独逸、仏蘭西、露西亜、墺地利、伊太利、大西洋を隔てて亜米利加合衆国、太平洋に於ける日本帝国、指を屈するとこの八つの強大国がある。この間は国際間の礼儀として、慣習として、世界のグレートパワーの間にはアンバセエドルを交換するのである。これは全権公使と違って、その国の主権者を代表するもので、この強大国の会議に於て決すれば世界を左右するほどの力のあるものである。しかしながら、国としてはその通りであるが、日本人個人としてどういう状態であるかというと、日本国民はなんと威張っても、大国民、大和民族などと威張っても、一歩足を踏出して外国へ行った