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へいわじぎょうのしょうらい

平和事業の将来

大隈 重信

大日本平和協会会長推戴式での演説、1910(明治43)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,320 字 · 23 页

青空文庫

〔独立すべき自然の権利〕

人種的の間違った思想というものは、聡明なる人、学者、宗教家の上には、段々去っているが、経済上の競争の上には、未だなかなか大なる威力を振いつつあるのである。ここに於て、平和の事業は甚だ困難である。ある意味から言えば、かくの如き間違っているものに対しては、最後の力に依るの外はないのである(拍手)。ここに於て強国間に武装が起れば、一段劣等なりと卑しめられたるところの民族は、優等なりと傲慢なる態度を持っている者に反抗する、力を以て反抗する。こういうことになるのは、已むを得ぬ人情である。

〔独立すべき自然の権利〕

ご覧なさい。全体、人間はひどい目に遭っても、その権力のある者に向って、あるいは政府が一つ成立てば、その法律に向って柔順に服従する性質をもっているのである。妄りに反抗するものではないのである。然るに何故に反抗するかというと、忍び得るだけは忍んで、忍ぶべからざるに至って、初めて窮鼠猫を噛むの勇を起して、反抗を始めるのである(拍手)。何故に亜米利加合衆国は十八世紀の末に母国に背いたか。同じ同胞の国である。同じアングロサクソンである。それが何故に英国に背いたか。