轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おもいだすことなど

思い出す事など

夏目 漱石

经历生死关头后,作者用细腻笔触回忆那段病中时光,那些细微的光影与人事,读来既心酸又温暖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,003 字 · 113 页

青空文庫

茅ヶ崎にいる子供の安否についても一方ならぬ心配をしたものらしかった。十間坂下という所は水害の恐れがないけれども、もし万一の事があれば、郵便局から電報で宅まで知らせて貰うはずになっていると、余に安心させるため、わざわざ断ってあった。そのほか市中たいていの平地は水害を受けて、現に江戸川通などは矢来の交番の少し下まで浸ったため、舟に乗って往来をしているという報知も書き込んであった。しかしその頃は後れながらも新聞が着いたから、一般の模様は妻の便りがなくてもほぼ分っていた。余の心を動かすべき現象は漠然たる大社会の雨や水やと戦う有様にあると云うよりも、むしろ己だけに密接の関係ある個人の消息にあった。そうしてその個人の二人までに、この雨と水が命の間際まで祟った顛末を、余はこの書面の中に見出したのである。

一つは横浜に嫁いだ妻の妹の運命に関した報知であった。手紙にはこう書いてある。

「……梅子事末の弟を伴れて塔の沢の福住へ参り居り候処、水害のため福住は浪に押し流され、浴客六十名のうち十五名行方不明との事にて、生死の程も分らず、如何とも致し方なく、横浜へは汽車不通にて参る事叶わず、電話は申込者多数にて一日を待たねば通じ不申……」